2018年08月14日

悩み 

夜遅く、発作があったと云う犬が来院しました。
体温は正常よりも低く、呼吸は早め、目がぎょろっとしていました。舌の色は悪く、胃にガスが貯まっています。
飼い主さんから状況詳しく伺うと神経発作と云うよりは違う事が疑われました。
胸の音を聞いてみると、酷い雑音。
すぐにレントゲンと血液検査をし、待っている間ひとまず酸素室へ。
その結果と症状を照らし合わせると心臓病から来る重度の肺水腫でした。
残念ながら重症で、治療にはお預かりして酸素室内で積極的な利尿剤の投与と強心剤の投与が大切。
でも状態がとても悪いので入院治療中にでも急変する恐れが高い事を飼い主さんに伝えました。
飼い主さんは急に悪化したと思われているようですが、詳しく伺うと大分前から咳などの症状は出ていたようです。
悩んだ末、飼い主さんの出した結論は積極的な治療はせずに自宅で最期を看取る云う選択でした。
ずっと一緒に暮らしてきたから亡くなる可能性が高いなら自宅で看取りたいと云う事でした。
獣医師としては治療によって助かる可能性も残されているの事、これまで心臓病がありながらも満足な治療を一度も受けらせてあげられていないので結果はどうであれ出来る限りの手を尽くしてあげた方が良いのではないか。と云う事も伝えました。
ただし、もし亡くなった時に悔いの少ない方を選んで欲しいとお話ししました。
急な話だったので飼い主さんも大いに悩んだうえで出した結論です。
家族の中でも意見は割れました。
命の尊厳が優先される人医の医療現場だったら結論は一つなのだろうと思います。
でも、私達の前では飼い主さんの考えが最重要決定です。
私達の最大の役目はきちんとした病気の情報をお伝えする事なのだろうと思います。
呼吸が苦しい状況で飲み薬を与えられるかどうかは難しいとは思ったものの一縷の望みを込めて本来入院中に考えていた利尿剤の内服薬を4時間ごとに与えて欲しい事と強心剤を渡して会計が終わるギリギリまで酸素室で過ごさせお返ししました。

飼い主さんによっては重症である事を告げると無慈悲に思えるほど一切の治療を拒みそのまま連れて返る人もおられるし、たとえ亡くなるとしても出来るかぎりの手を尽くして欲しいと依頼を受ける事もあります。
その結果少ない可能性にかけて生還する事もあります。
このどちらが正しい選択なのかは飼い主さんそれぞれによって違います。
獣医師として命を守る為に努力しつつも飼い主さんの真意を尊重する。
この狭間で悩む事も多いです。


posted by 院長 at 10:04| Comment(0) | 日記

2018年08月01日

熱中症

酷暑の影響でニュースでは毎日熱中症の死亡事故が放送されていますね。
クールビズやら室温は28度で。と云った節電を呼び掛けるコマーシャルはすっかり姿を消しました。
私の印象ですが、熱中症による死亡事故は人よりも動物の方がはるかに多いと感じています。
当院にも熱中量を疑う症例は毎日来院しますし、残念ながら亡くなる例も珍しくありません。
動物病院を受診する前に亡くなる症例は来院する方よりも多いのが通常ですからそう考えると恐ろしい数だと思います。
ペットが熱中症になってしまった。飼い主さんと話をすると共通して感じるのは飼い主さんの油断です。
エアコンを28度に設定していても熱中症になってしまったり、風通しが良いから大丈夫だと思ってしまったり。
体温が平熱に戻ったから大丈夫だと自己判断してしまったり。
扇風機を当てていたから大丈夫と思っていたり。
エアコンを28度にしていても室温が28度だとは限りません。
温度計は必要です。風通しが良くても外が暑ければ効果は薄いです。
汗をかかない動物たちは気化熱によって体が冷える事はありませんから扇風機も同じです。
熱中症になるとDIC(播種性血管内凝固)を起こす事が時々見られます。
DICを起こすと救命出来る可能性はぐっと減りますから体温が落ち着いてもDIC対策は必要です。
私がお勧めしたいのは体を冷やす方法として非常時に備えてアイシングのスプレーを常備する。
暑い時は飲み水に氷を入れるなどして対策を。
冷凍庫にはアイシング用の氷や氷嚢を準備しておく。
熱中症を疑う時は体を冷やしながらすぐ動物病院へです。
まだ暑い日は続きそうです。
皆様お気を付け下さい。
posted by 院長 at 03:06| Comment(0) | 日記

2018年05月26日

帝王切開

夜中の手術で多いのは帝王切開と胃捻転だと思います。
それ以外だと出血が止まらない外傷や、異物の誤食、眼球の脱臼などでしょうか。
目の病気は基本急患だと思っておりますが、目が飛び出して瞼が収まらない眼球脱臼は早く発見して処置をすれば失明しなくて済みます。
今夜はチワワが来院しました。
電話での状況では破水して2時間経っても産まれないという子で、何頭お腹にいるのか検査もしていないと云う事でした。
来院時に確認した所、ブリーダーさんが廃業した犬を貰い受けたそうで、そのまま何も検査されなかったそうです。
貰った人もブリーダーでした。
レントゲン検査では2頭が確認され、自然分娩は厳しいと思われたので帝王切開をする事になりました。
過去に何度か手術を受けた後が体に残っていました。
子宮も癒着が何箇所かあって気を使いましたが無事母子共に助ける事が出来ました。
一緒に働いた獣医看護師さんはこれまで運よく?帝王切開に夜間当たった事が無い人でしたが
頑張ってくれました。
飼い主さんには子宮の癒着が酷いからもう産ませないでねとお願いしました。
posted by 院長 at 04:29| Comment(0) | 日記

2018年05月20日

前十字靱帯断裂

最近あまり学術的な投稿をしていないので一つ。
学術的な投稿について無いわけではないのですが、自分の中では普通な思いがしていてスルーしてしまいました。
今日はうれしかった治療結果があったのでお知らせします。
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体重40キロ台のピレネー犬です。
他院で前十字靱帯断裂と診断されたもののそこでは手術は出来ないと云われて当院を自力で探された方です。
前医で大学病院を紹介され受診したものの改善があまりなかったので当院で手術を行いました。
その結果、まだ治りきってはいないものの手術する前よりも明らかに改善がみられ飼い主さんも喜んでおられました。これだけの大きな犬の前十字靱帯の手術をする事はあまりないので私も良い経験が出来ました。
なにより結果が良くて良かったです。
posted by 院長 at 04:00| Comment(0) | 日記

2018年05月19日

セキュリティ

残念な世の中になってきてしまいました。
不審者はどこにでも居ると思わなくてはいけない時代なのでしょうか。
近頃夜勤の間イタズラ電話が続きました。
警察に通報し対策を考えました。
当院には監視カメラがやたらとありますが、それも24時間人が居る職場を守る為でもあります。
加えてスタッフが帰る頃を見計らって街角にストーカーの如く待ち伏せて居る男がいる報告を受けました。
帰宅に際はスタッフには各々に警報器を所持させ、帰宅はまとまって帰路につくようにしました。

駐車場は全て死角無く監視カメラで見ることが出来ますが、駐車場に不審者がウロついて居ります。
今の所被害の報告はありませんが車を離れる時は施錠をし、貴重品は車中に置かないようにして下さい。
どうぞよろしくお願いします。
posted by 院長 at 23:24| Comment(0) | 日記

2018年04月04日

新人研修

先日新人研修を行いました。
以前はあまり目的について話をしていなかったので、趣旨と目的が上手伝わらなかったので今回はきちんと目的を伝え実習を伴った簡単なレッスンをする事にしました。
これは年明け位から徐々に準備を始めカウンセラーの先生からアドバイスを頂きながら準備しました。
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参加してもらった新入生に同じ静物画を書いてもらいました。
その絵を見ながら人の多様性とそれを認め受け入れる事の大切さを伝えました。
それからチームに分かれてゲームを行いチームワークで楽しむ経験をしました。DSC01116.JPG
夕食はこちらで準備した材料を使ってチームで作った事のない料理を作ってもらいました。
ただし、作り方は教えません。自分達で作り方を調べ、話し合い、作業をします。私が教えてのは使う道具の使い方位です。
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料理は大成功でした。
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この作業は私が難しい病気に遭遇した時、自分達で病気について調べ、チームで検討し、今ある中でどの様に対処するのがベストかを考えながら治療する事と似ています。
今後は新人のフォローアップのセミナーをしたいと考えています。
彼女達と出会えた事に感謝しつつ、一人一人の人生に仕事を通して前向きに頑張る経験を味あわせてあげたいと願っています。
posted by 院長 at 04:31| Comment(0) | 日記

一番の助け

私宛に小包が届いていました。
中を開いてみるとお菓子と一緒にお手紙が入っていました。
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以前診させて頂いた飼い主さんからのお礼のお手紙でした。
最近私の心の中では、疲れが抜けず忙しすぎて、なかなかうまくいかない事が多くて、さらに人づてに診察の際世間話が多いとお叱りまで頂いて、負のスパイラルから抜け出せない心の中が沈んだ状態から抜け出せないでいました。いつしか仕事が出来る事に感謝する気持ちも忘れてしまいがちでした。そんな中頂いた手紙は私の心を励まして勇気づけてくれました。
思い返してみると、なぜかここ数日いつも以上に私に気をかけて下さる飼い主さんが多くいらした事に気が付きました。
本当にありがたい事です。
私が精力的に仕事を続けていけるのは飼い主さんのはげましや支持を頂いている事が大きな助けになっています。この場を借りてお礼申し上げます。
posted by 院長 at 04:14| Comment(0) | 日記

2018年03月30日

お名前

人の名前も動物の名前も名付ける時は悩みますよね。
開業した頃飼っていた猫の名前はマネキと言います。
その影響なのか開業以来よその病院に比べて猫を連れて来られる患者さんが多いです。
今では犬と猫の比率は同じ位になりました。
私の子供達もそれぞれに込めた願いと共にみんな並べると一つの意味が出来るように考えました。
兄弟で仲良く、いざとなったら助け合って欲しかったからです。
思い通りにはなかなか難しいですが。
先日の深夜、腹痛を供なった吐き気の症状の犬が来院しました。
原因を見つけるための検査を待っている数分間、動物ではなく飼い主さんのお名前が目に留まりました。
三恵さんと云うお名前なのですが、親が思いを込めた3つの恵みって何なんだろう?
検査の結果心配していた急性膵炎の兆候は見つからずホッとした勢いで、お名前のことを伺いました。
3つの恵み。
それは美貌、健康、知恵だそうです。
私は下世話にも富やお金は含まれていなかったんですね。とお尋ねしたら、この3つがあればお金はついて来ますから。と教えて頂きました。
無事治療を終えて飼い主さんが帰ってから、なるほど~。とお名前の妙に感慨深く頷きました。


posted by 院長 at 09:32| Comment(0) | 日記

2018年02月16日

注意して下さい。

ご無沙汰してしまいました。
今、横浜で開催される日本獣医内科学アカデミー年次大会に参加する為に電車に乗っています。
しばらくブログを離れておりましたが乗車中の時間を利用していくつか記事を書きたいと思います。
睡魔に負けたらゴメンなさい。
まず第一は注意して下さいデス。
少し前に警察の方から電話を受けました。
実は警察の方からはよく電話がかかってきます。
今回も同じ、監視カメラの画像を見せて欲しいと言うものでした。
調べていたのはオレオレ詐欺。
受け子と呼ばれる金を受け取る人間の足取りを掴むためだそうです。
受け子は街中でスカウトされて、金に目が眩んでしまうんでしょうね。違法でリスクがあると知りながら足を染めてしまう。
今回の案件でも被害額はすごい金額でした。
私の両親にも電話が何度かかかって来ています。
幸運にも詐欺に気が付き未だ罠にハマっていません。
でも巧妙化してくる罠に油断は禁物です。
受け子は捕まっても中々中心人物までは捜査の手が届きにくいそうです。
オレオレ詐欺も全国展開しているとの事。卑劣な手口だけに厳罰化して欲しいものです。
ウチの両親が引っかからないのは
私の電話でのやり取りに特徴があるからです。
それに小切手を無くさないし、上司もいないし、会社のかねをなくすこともないですからね。
先に書いた案件ですが、受け子の姿はがっちり写っていて足取りが立証出来たそうです。良かった。

posted by 院長 at 09:43| Comment(0) | 日記

2018年01月01日

明けましておめでとうございます。

風邪気味ではありますが、今年も元気に頑張りたいと思います。
年が変わって最初に診るのはどんなかな?と思っておりましたら、おしっこの出ない猫ちゃんでした。
カルテを観ると昨年も丁度同じ時期に同じ症状で来院されていました前日に頻尿になってかかりつけを受診したそうですが、注射一本打ってもらったと云う事でした。
細かい結晶がペニスと先端からびっしりと詰まっていて、解除するのに難儀しました。
何とか尿が出量になりましたが結晶も多そうだったのでそのまま入院です。
早朝に来院したのは小さなハムスターでした。
頬袋に炎症があるようでした。
治療と買い方の指導をさせて頂きました。
帰り寒い思いをしないように手作湯たんぽはサービスです。


posted by 院長 at 23:48| Comment(0) | 日記